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 キサゲ編 
電動スクレーパー

これはキサゲ作業を行うのに使う道具です
写真中央は手作業用のもので、その下は電動(スイスBIAX社製)のものです
キサゲ作業とはどういうものかということを説明しますと、キサゲ工具を用い
局部的に削り、摺り合わせをすることです。彫刻刀あるいはノミで木を削る様な感じ
と言えば分かりやすいでしょうか。

どんな所にこの作業が使われるかと言えば、定盤や工作機械の摺動面、そのほか
軸受けのメタル部の仕上げなどさまざまです。
当然、そこで使われるキサゲ工具の形状もさまざまで、長さ、幅、形状、材質と
数えればきりがありません。

キサゲ工具を2,30ミリ動かし、加工物の高いところを部分的に削っていきます。
その後基準となる面と摺り合わせを施し、あたりを見ます。具体的には基準面となる定盤に
赤ペン塗料(旋盤のセンターに付ける焼け付き防止の金属、だいだい色の光明丹)を薄くつけ
摺り合わせを行うと、高いところだけにこの赤ペンがつきます、さらにこの高いところを
先ほどのキサゲ工具を使い削っていきます。この作業をくりかえすことにより、最終的に
仕上げ面を得ます。

あたりも、はじめは赤あたりだが、作業をくりかえすと、より精度の高い面となり
黒あたりとよばれる塗料の付いていない点の集まり(黒光り)になります。
この仕上げ面の品位を表すのに、坪あたり何点、何個という言い方をする。
ここでの坪とは3.3平方メートルではなく、25.4ミリ平方の面積である。このなかに
黒当たりが何個あるかということである。場合によっては面積あたり何パーセントという
言い方もする。

非常に原始的な作業ではあるが、高い精度の真直度、平面度を得ることができる。
話は簡単なように聞こえるが、実はこれが非常に労力と、技能、経験を要する。
言葉を変えるならある種の感性を必要とする。これは経験したものでなければ分からない
奥の深い作業なのである。

電動のものを使えば能率が格段に違うし、疲労の度合いがちがいます。それでも、
電動スクレーパーを使ってもなお労力が必要です。仕上げは、電動のものでもよいが
(仕上げ用の電動スクレーパー、千鳥用スクレーパーもあります)普通の工具のほうが
失敗もありません(もっとも熟練度によって違うのでしょうが・・・)
機械メーカーさんでもキサゲ加工の出来る職人さんは少ないようです。

それで窪屋さんはこれをよく使うの?と聞かれれば。「はい、使いません」とお答えしときます。
会社経営のために、これを使って仕事をするなんてことはありません(まず採算に乗らないでしょう)
この手の仕事は、やれと言われれば出来ますが、加工の基本的路線が違いますので
あくまでも、技術の習得と趣味の範囲で使用しています。
別掲の非売品ツールプリセッターでも、このキサゲ工具(作業)は大いに活躍しました。

このスイス製BIAX社の電動スクレーパーは日本では(株)キャプテンインダストリーズという
ところが扱っています。写真のもので替え刃含め30万前後で求められます。
超硬製のスクレーパーは東芝タンガロイもつくっています(こちらは電動ではない一般のもの)
チップだけなら数千円からあります。技術習得におひとついかが?


追加
サイエンスチャンネルに映像資料がありますので紹介します
匠の息吹を伝える〜“絶対”なき技術の伝承〜

「平面を制する 〜精密大物きさげ加工〜」



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